空飛ぶスコットランド人
部長になったにも関わらずこれまで1回もブログを更新してこなかったY.Kです。
さて、フライング・スコッツマンという名前は中身は知らずとも鉄道ファンなら聞いたことはあるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
フライング・スコッツマンとは、イギリスロンドンのキングス・クロスとスコットランドの首都エディンバラを結ぶ伝統的な急行列車の名前で、その運行開始はなんと1862年、同じ時期の日本はまだ江戸時代でした。しかし今回はこの列車の話ではなく、「フライング・スコッツマン」という名前を与えられた蒸気機関車の話題です。
蒸気機関車「フライング・スコッツマン」は急行用機関車LNER ClassA1として1923年に製造されました。用途は勿論急行「フライング・スコッツマン」の牽引用です。
ClassA1型の改良型、ClassA3のNゲージ鉄道模型
蒸気機関車として初めて公式で時速100マイル(160km)を超えるスピードを記録するなど、優れた性能を発揮したこの美しい機関車はLNER(ロンドン・ノース・イースタン鉄道)の看板車両として活躍し、順次改良型のA3型に改造されていきました(日本で言うところのN700とN700Aの関係)。
No.4472「フライング・スコッツマン」は鉄道国有化後も1963年まで活躍、引退後は実業家に引き取られ、各地で観光列車として運行されました。その後、2004年に国に買い取られ、ヨーク国立鉄道博物館(NRM)の所有機関車となりました。そして2006年大規模なオーバーホールを行うために一旦我々の前から姿を消しました。
しかし、2016年1月、約10年の時を経てようやくこの流麗で優美な機関車は再びその姿を見せてくれました。約1ヶ月間の調整期間を設けて2月25日イギリス国鉄時代のダークグリーンを身に纏い、急行「フライング・スコッツマン」として走り慣れたキングス・クロス~ヨーク間を走行しました!
http://www.bbc.com/news/uk-england-york-north-yorkshire-35653416
こちらはイギリスの公共放送BBCが報道した当日の様子です。
鉄道遺産を保存し、走行させるという文化が鉄道ファンのみならず一般の人々にも浸透しているイギリスにおいても、この機関車の存在は特別です。皆さんご存知の通り鉄道の発祥国はイギリスです。そして蒸気機関車の技術力は常に世界の最先端を走っていました(その為に近代化が遅れたという側面もありますが)。更に「フライング・スコッツマン」は最初に述べたようにイギリスを代表する急行列車で、イギリス人の日常に深く関わっていました。ですからこのNo.4472″Flying Scotsman”は輝かしいイギリスの黄金時代の象徴、つまり大英帝国の誇りがそこに凝縮されているのです。
是非、この素晴らしい機関車を生で見たい!その為には頑張ってお金を貯めて英語の勉強もしてイギリスに行かなくては……ハァ~、いつになることやら……